第5回~第8回までは、食品の安全を脅かす要因を見てきました。今回からは、食品の安全を守るための具体策を見ていきます。まずは、基本的な衛生管理項目を説明します。
食品製造の環境を管理する「一般的衛生管理プログラム」
HACCPは、食品そのものの取扱いを管理する手法です。裏返すと、食品そのものしか管理しない、ということでもあります。食品の衛生に神経を注いでいても、その環境が衛生的でなければ食品の危害要因は増すばかりです。
そこで、食品を製造・加工する環境を管理しようというのが「一般的衛生管理プログラム」です。一般的衛生管理プログラムは、HACCP導入の前提条件になるため、「前提条件プログラム」と呼ばれることもあります。
じつは、一般的衛生管理プログラムには、法的な定めがあります。
食品衛生法 第50条
厚生労働大臣は、食品又は添加物の製造又は加工の過程において有毒な又は有害な物質が該食品又は添加物に入することを防止するための措置に関し必要な基準を定めることができる。
この食品衛生法の第50条に基づいて厚生労働省は「食品事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)」(PDF)を示しています。これが、一般的衛生管理プログラムです。詳しい内容は、リンク先PDFファイルの3ページ以降で確認できます。
一般的衛生管理プログラムで管理するもの
先ほどの「食品事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)」から、一般的衛生管理プログラムの概要となる基準項目をまとめました。
次回は、いよいよHACCPの話です。